航空大学校 英語長文(大問II・III)の出典まとめ
目次(8項目)
航空大学校の英語は、リーディング(大問I〜III・70分)とリスニング(約20分)の100点です。配点は大問I=語句20点/大問II=長文の語句空所30点(4長文・10問)/大問III=長文の下線部和訳30点(記述)/リスニング20点。このうち大問II・III とリスニングは、市販の書籍やニュース記事などからの出題で、著作権の対象です。近年(令和7・8年度)の公式問題冊子でも、これらは「著作権の関係上、問題文は掲載いたしません」と伏せられています。本サイトでも本文は一切転載しません。
ただし、長文の多くはネットで無料で読める英語ニュースや教育サイトから採られています。出典さえ分かれば、原文に当たって練習できます。このページでは、本文を載せずに「どの記事が出典か」を年度別にまとめます。大問II(4長文・問1〜問10)の出典と正解に加えて、大問III(下線部和訳の長文)の出典も特定できた分(R02〜R06)を掲載します。各年度の大問I(語句)の詳しい解説は過去問解説の一覧の「英語・大問I」から、過去問本体の入手法は英語の過去問の著作権の部分を見る方法をどうぞ。
英検レベル・出題分野・長文テーマ・対策など英語全体の分析は航空大学校の英語 完全分析にまとめています(このページは“出典の詳細”担当、あちらが“全体像”担当という役割分担です)。
出典の傾向:大問IIと大問IIIは「素材の質」が違う
過去問を並べると、大問IIと大問IIIでは出典のタイプがはっきり分かれます。
大問II(4長文・空所補充)=学習者向けにやさしくした短い素材。1本あたり100〜140語と短く、語彙もやさしめです。
- Breaking News English / VOA Learning English のような、ニュースをやさしく書き直した英語学習サイト。チップ文化(R04)、気象ドローン(R03)、コアラ保護や高強度運動(R02)はこの系統。
- The Conversation の「Curious Kids」 のような、専門家がやさしく書く解説。オーストラリア英語のアクセント(R04)が該当。
- AFP・BBC・Stars and Stripes などの英語ニュース。ケニアの空港ロボット(R05)、世界銀行の景気後退(R06)、西表島の入島制限(R06)、深海マイクロプラスチック(R05)、超長距離通勤(R03)など、実施前年〜当年の時事が、そのまま/簡略化されて使われています。
- NASA など公的機関の解説ページ。宇宙遊泳(R02)が典型。
大問III(1長文・下線部和訳)=一般読者向けの“本物”の記事を、長め(366〜740語)に1本。やさしく薄めていないぶん構文が硬く、ここが和訳で差がつきます。そしてテーマは航空に集中。5年中4年が航空がらみ(R02座席安全・R03飛び恥・R04機内飲酒・R06飛行機雲、R05はCOVID渡航緩和)。出典は The Conversation の本記事・AP通信・openDemocracy・英王立航空協会(RAeS)のレポートなど、報道・専門解説のレベルです(後述の専用節に年度別一覧)。
つまり対策は、大問IIは“やさしい英語ニュースの多読”、大問IIIは“航空テーマの本物の記事を構文ごと正確に訳す練習”。出典が特定できた長文は、記事中の特徴的なフレーズ(固有名詞・数字)で検索すれば原文にたどり着けます。以下、年度別の出典と大問IIの正解です(正解番号は当サイトの独自解答。本文は非掲載)。
令和6年度(R06)
- 世界銀行の景気後退見通し(2023年1月/出典=BBC News)。問1=4 recession /問2=1 by
- 西表島の入域制限(2023年3月/出典=Stars and Stripes)。「東洋のガラパゴス」、1日1,200人上限。問3=1 cap /問4=1 compulsory /問5=4 endangered
- 外国語学習と学力(やさしい英語の教育記事)。外国語学習者はACT/SATの点が高い、脳は筋肉。問6=2 that /問7=1 improve
- 睡眠不足の影響(同系統の教育記事)。REM睡眠と健康。問8=4 No wonder /問9=3 mess /問10=2 name
令和5年度(R05)
- ケニアの空港コロナ対策ロボット(2021年2月/出典=AFP配信・Gulf Times掲載版)。Jasiri・Shujaa・Tumaini。問1=3 curbing /問2=2 disinfected
- 沖縄の食文化と琉球王国(英語ニュース・旅行記事系。"except for its squeal" で検索)。問3=4 up /問4=3 reigned /問5=1 cuisine
- チョムスキーと普遍文法(言語学のエッセイ系)。普遍文法理論への批判と修正。問6=4 account /問7=3 Alternatives
- 深海のマイクロプラスチック(2020年・地中海/出典=The Conversation)。1m²あたり190万個、海流がhotspotを作る。問8=3 of /問9=1 currents /問10=4 what
令和4年度(R04)
- 新型コロナの英単語解説(英語学習サイト系)。pandemic と epidemic の違い、contact tracing。問1=3 epidemic /問2=4 tracing
- アメリカのチップ文化(Breaking News English 系。"Sushi Yasuda" "twice the budget of NASA" で検索)。問3=1 budget /問4=4 wages /問5=2 embarrassment
- フランスのバゲット(BBC Travel 系。"baguette de tradition" grignes で検索)。年100億本、職人の製法。問6=1 consume /問7=1 akin
- オーストラリア英語のアクセント(出典=The Conversation「Curious Kids」)。1965年 Mitchell & Delbridge の3分類。問8=2 distinct /問9=3 has been changing /問10=4 whose
令和3年度(R03)
- エイプリルフールの起源(歴史の解説記事系)。1500年代の暦の変更が一説。問1=2 pranks /問2=3 with
- 天気予報用ドローン(VOA Learning English 系。オクラホマ州立大)。問3=1 improve /問4=3 accurate /問5=4 altitudes
- ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』のあらすじ(作品紹介の英文)。みくり&津崎、契約結婚。問6=4 lands /問7=3 Hemmed
- イギリスの超長距離通勤(BBC News・英ONS調査。"extreme commuters" Gary Egen で検索)。片道170マイル、長い通勤のほうが幸福な場合も。問8=3 off /問9=4 following /問10=2 productively
令和2年度(R02/公式表記は「2020年度」)
- 宇宙遊泳(スペースウォーク)(出典=NASA「What Is a Spacewalk?(Grades K-4)」)。EVA、レオーノフ(1965年)、エド・ホワイト。問1=2 for /問2=2 depending
- 共感(エンパシー)の種類(心理学のエッセイ系)。情動的共感・認知的共感・共感的配慮。問3=1 Other /問4=1 alleviate /問5=3 evolved
- コアラの保護(VOA Learning English 系。NSW州の3,400万ドル計画)。コアラは有袋類でオーストラリア固有。問6=4 beloved /問7=3 native
- 高強度インターバル運動の研究(VOA Learning English 系。カナダの大学)。短時間の高強度運動は50分の有酸素運動と同等。問8=3 short /問9=2 interval /問10=4 effective
大問III(下線部和訳)の長文と出典
大問IIIは、毎年1本の長め(366〜740語)の記事から、下線部を日本語に訳させる記述問題です。選択肢はありません。R02〜R06について、本文を載せずにテーマと出典をまとめます(特徴的なフレーズで検索して特定。本文は非掲載)。
- 令和6年度(R06)/飛行機雲(contrails)の気候影響。jet vapour trails(飛行機雲)が航空の気候影響の半分以上を占めるという科学に対し、航空業界が規制逃れのロビー活動をした、という調査報道。出典=openDemocracy「Airlines downplayed climate science to block new regulations」(The Guardian なども報道)。
contrails・emissions・vapour trailsなど航空×環境の語。 - 令和5年度(R05)/イタリア・ギリシャのCOVID渡航制限緩和。観光シーズンを前に、ギリシャの民間航空当局がマスク以外の規則を撤廃、イタリアもグリーンパスを縮小。出典=AP通信(The Hill・VOA などに配信「Tourists, rejoice! Italy, Greece relax COVID-19 restrictions」)。
- 令和4年度(R04)/空港・機内の飲酒問題。客室乗務員の過半が迷惑な酔客を目撃(BBC Panorama 調査)、空港での飲酒のあり方を問う解説。出典=The Conversation「Alcohol: why we should call time on airport drinking」。
- 令和3年度(R03)/飛び恥(flygskam)と夜行列車の復活。飛行機を避ける動きで Swedavia の旅客が減少、「環境派旅行者(environmental traveller)」という新層。出典=The Conversation「Could sleeper trains replace international air travel?」。
- 令和2年度(R02)/旅客機の家族同席と緊急脱出の安全。家族を別席にする座席課金は緊急脱出の妨げになりうる、という英王立航空協会(RAeS)の専門レポートの紹介。出典=RAeS「Emergency Evacuation of Commercial Passenger Aeroplanes」(Second Edition, 2020) およびその報道。
5年中4年が航空テーマ(R05のみCOVID渡航緩和)。和訳対策では evacuation(避難)・contrails(飛行機雲)・emissions(排出)・turbulence(乱気流)といった航空語彙に慣れておくと差がつきます。
令和7・8年度(R07・R08)の長文について
令和7・8年度は、公式の問題冊子でも大問II・III・リスニングが伏せられており、当サイトでも長文は手元にありません。そのため、この2年度の長文の出典・正解は未掲載です。大問I(語句)の解説は公開しています(R07・R08)。R07・R08の英語長文(問題冊子)をお持ちで、ご提供いただける方はお問い合わせからご連絡いただけると助かります(出典調査にのみ使用し、本文は掲載しません)。
※出典の特定・正解は航空大学校受験NETによる独自調査です。公式発表ではありません。出典が「〜系」「検索」と書いた箇所は、特定の確証まではなく傾向・推定を含みます。誤りや、出典・別解の情報提供はお問い合わせからお願いします。
各年度の大問I(語句)の詳しい解説は過去問解説の一覧の「英語・大問I」からどうぞ。
